秀808の平凡日誌

ジョーク集その７１

第７１話　印象って、大事だよね

　騎士様が誰かと話してる…あ、あのランサーさんは『エルベルグの紅華』ルーナさんじゃ…そうか、あの人と騎士様は付き合ってる…こんな所であたしが寝ているの見られたら、騎士様が大変なことになっちゃう…よし、そこの窓から逃げる！（ピューン












　…全然散らかってないじゃないですかっ！

　うあああああああああごめんよルーナちゃ…ってあれ？（シイェルがいない？どこにいった？)

　案外普通…あれ、騎士様、窓が開けっぱなしですよ。

　(窓…そうか、窓から抜け出したのか…しかしあっちの路地は危ないからな、変な輩に絡まれてなければいいが…)















　はぁはぁ…勢いで逃げ出してきちゃったけど、ここはどこかしら…？（ドンッ

　……おい、貴様。ちょっと待て。

　え？あたし何かしました？

　…貴様！我が主にぶつかっておいて、謝罪の一つも無いのか！

　ぶ、ぶつかったのは謝るけど、どっちかっていうとそっちからぶつかってきたんじゃないのかしら！？

　生意気な…やれ。

　はっ！おおせのままに！（ギラン

　ちょ、ボーディングアックスなんか取り出して、何する気よ！？

　黙れ！貴様は今ここで始末する！

　きゃあっ！誰か助けてー！















　…今悲鳴が聞こえませんでしたか？

　ええ、助けてとかって…

　(もしかして、あの小娘…何かやらかしたな？助けんわけにもいくまい)何をボーっとしている、さっさと行くぞ！（退場

　あ、クロウさん！待ってー（退場

　あ、僕も行きますー（退場















　さあどうした小娘！ダブルスローイングッ！（ババッ


　うっ！シーフがこんなに強いなんて…

　ジョブの違いが、戦闘力の決定的差でないことを教えてやる！

　まともにやってちゃ勝てないわね…ここは逃げる！…って、足が動かない！？

　くっくっく、そこいら中に罠を仕掛けておいた。もう貴様は逃げられない

　ひ、卑怯者！！

　戦いをまともにやろうとするから、こうなるのだよ。死ね！ダブルスローイン…

　きゃぁぁぁーーー！！

　…やめろぉぉーーー！！タンクラッシュ！！（ドガッ

　ぐあっ！？…なんだ、お前は！

　そこでさっき悲鳴をあげていたバカ娘の知り合いだ。

　ば、バカ娘…

　我等古都ブルン護廷騎士団、たとえアリアンにいようとも、騎士道第１条・国家権力の威を借りて強きを助け、弱きを裁く、その心得のもとに従ってこの娘を守る。

　…あの、『強きを助け、弱きを裁く』って逆な気がするんですけど…

　ん？間違えたか？まぁどうでもいいことだ

　ふざけよって！貴様も始末してくれる！

　ククク、この『ブルンの紅い疾風』を貴様ごときが倒せるならばな

　な、何だと…『ブルンの紅い疾風』！？

　クロウさん、やっと追いついた…って、これはどういう状況ですか？

　見てのとおり、そこのルーナちゃんのように可愛い娘を目の前の変態真っ黒シーフが狙っているのだ

　真っ黒は認めるが、変態は余計だ！

　(さっきまでバカ娘とか言ってくせに…)

　とりあえず、悪い人たちなんですね

　(ブルンの紅い疾風にエルベルグの紅華…これでは分が悪いな、あの計画を知られるわけにもいかん)もういい、引き上げる（退場

　は、はっ！…お前達、命拾いしたな！（退場

　ふん、物分りのよい敵で助かったな…小娘、怪我は無いか

　あ、だ、大丈夫です…

　そうか、騎士道第２条・市民には誰一人傷をつけさせることなく守り抜く、の精神にしたがったまでだ

　(さっき間違えてたけど…)

　さすが騎士様！かっこいいです！

　そうだ、私はかっこいい。その信念は何一つとして崩れることはない。

　クロウさん、さっきは変なこといってごめんなさいね

　ははは、誰でも間違いの一つや二つはあるさ、ではこれから帰って仕事帰りの一杯と行こうじゃないか！

　やったぁ！

　クンクン…ん？この匂いは…

　どうしたのヤギちゃん？なでられたい？（なでなで

　いや、さっきの匂いがこの娘から…ってふにゅ～なでるのはやめよぉ～ふぉぉ～

　(誤解もとけたし、一件落着としたいが…あの戦士、『テンドペンドの蒼き凶星　ギオン』と見たが…何を企んでいる？)